赤いパンプス
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女は橋の欄干に手をかけた。ぐいと、その細い体を持ち上げる。下に流れている川はお世辞にもキレイとは言えない。濁っているし、ゴミも浮いている。
女は躊躇したが、どうせ死ぬんだと思い直し一気に体を持ち上げて欄干を越えたーーが、突然、腰の辺りが温かくなり後ろへ引き戻された。
女は見覚えのない男に助けられたのだ。
余計なことしないで!と言おうとしたその時、男は微笑んで「お茶でもしない? あ、いちおうこれナンパだから」と言った。 女は呆れた。 死のうとしてる女をナンパ? この人バカじゃないの?
男は大きな笑顔を作って「行こう!」と女の手を握り走り出した。 女も素直についていった。
欄干に足をかけた時、靴を脱いだことを忘れて、裸足だったが不思議と冷たさはなかった。
エナメルの赤いパンプスだけが、そこに取り残された。 捨てられた女の身代わりのように。
女は躊躇したが、どうせ死ぬんだと思い直し一気に体を持ち上げて欄干を越えたーーが、突然、腰の辺りが温かくなり後ろへ引き戻された。
女は見覚えのない男に助けられたのだ。
余計なことしないで!と言おうとしたその時、男は微笑んで「お茶でもしない? あ、いちおうこれナンパだから」と言った。 女は呆れた。 死のうとしてる女をナンパ? この人バカじゃないの?
男は大きな笑顔を作って「行こう!」と女の手を握り走り出した。 女も素直についていった。
欄干に足をかけた時、靴を脱いだことを忘れて、裸足だったが不思議と冷たさはなかった。
エナメルの赤いパンプスだけが、そこに取り残された。 捨てられた女の身代わりのように。
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公開:20/12/27 01:05
書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。
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