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ちょっと1人になりたい時に来るお気に入りの場所。坂を上って来てみたら、今日は先客がいてちゃぶ台でお茶を飲んでいた。邪魔しちゃ悪いかな、そう思って少し遠くから眺めていたら、男性は立ち上がってちゃぶ台をたたみ始めた。テントをたたむように手慣れた様子で足をパタパタとおり、グッと押す。するとちゃぶ台は、ワンタッチテントが立ち上がるようにぐにゃっと逆向きに反って、パラボナアンテナのようになった。と突然、さっき言い放ってしまったあの言葉が蘇って、ガンガンと脳裏に響いた。
気づくと、男性が優しい目で私を覗いていた。私はしばらく気を失っていたらしい。彼によると、大気中には、届かなかった声とか、言えなかった想いが流れていて、このちゃぶ台アンテナを通すと、そういうものが聴こえてくるらしい。ってことは、彼は私のあの声を聴いたのかな。恥ずかしい反面、不思議と嬉しさも感じながら、私は男性のとなりに横たわっていた。
気づくと、男性が優しい目で私を覗いていた。私はしばらく気を失っていたらしい。彼によると、大気中には、届かなかった声とか、言えなかった想いが流れていて、このちゃぶ台アンテナを通すと、そういうものが聴こえてくるらしい。ってことは、彼は私のあの声を聴いたのかな。恥ずかしい反面、不思議と嬉しさも感じながら、私は男性のとなりに横たわっていた。
公開:20/12/26 23:45
初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
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