「結婚記念日」その後

10
6

有馬記念に縁を感じたと、今月の給料を全部突っ込んで紙くずにした夫。
「どうするのよ!正月、餅も買えないぞ!」
私が罵っても夫はうな垂れて黙っている。
「お父さんどうしたの?お餅買えないの?」小2の息子が不安そうに聞いてきた。
「だっ大丈夫よ、ごめんね」
夫を睨みながら答える。
翌朝、目を覚ますと息子が居ない。
息子の靴と傘立てにあった傘が全部無くなっている。雨は降っていないのに…。
夫を叩き起こし、息子を探しに飛び出した。
すると、町はずれのお地蔵さんの前に立っている息子が居た。
見ると、お地蔵様に傘を差し、その周りも傘だらけだ。
「お地蔵さんに‟傘”をあげると、お正月お餅をくれるんだ」と息子が嬉しそうに答えた。
私はハッとする、それは『昔話の‟笠”地蔵の話』
込み上げる熱い物を押さえ「見返りを求めた親切はダメよ」と諭す。
「うっ、ごっごめんなぁ~」
夫の泣き声が、師走の町に響き渡った。
その他
公開:20/12/26 18:18
更新:20/12/27 03:41

樫木

ご覧いただきありがとうございます。
400字をオーバーして削る→話がおかしな事になる→やり直して更に悲惨な事に…
諦めて寝る(-_-)zzz を繰り返しています( ;∀;)

読んで頂いた方が少しでも、楽しい、面白い、ちょっと悲しい、等々になってくれたらいいなぁ~なんて思いながら投稿しています。(そこまで上達してませんが( *´艸`))
どうぞよろしくお願いいたします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容