楽園のような場所

「そこはまるで楽園のような場所でした。私はそれを皆さんに伝えるために一人で戻ってきたのです」
それを聞いた人々は我先にとこぞってその地を目指した。冒険家が広めた楽園を示した地図を片手に進む私もその内の一人である。そして、険しい冒険の末に私は地図上にマークされた目的地へと辿り着いた。
「ここだ！！ここが私の求めたらくえ」
男の上半身は消えた。巨大な化け物の口の中に。
「あいつを逃して以来人間が後をたたなくて食うに困らないね。あの冒険家の口車に乗って正解だったよ」
化け物は咀嚼しながら呟いた。
「ああ、まったくここは本当に楽園のような場所だね」