びっくり箱

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ジャックから小包が届いた。
『親愛なるサムへ。ハッピーバースデー! オレ様から特製ケーキのプレゼントだ。これからも楽しくやろうぜ』
そのメッセージカードを読んで箱を開けると、
数秒でケーキは爆発した。
顔も部屋もケーキまみれだ。
「クソっ! やりやがったな」
ジャックのやつ後悔させてやる。
俺は親友のルークを呼んだ。
「こりゃヒドいな」
「まったくだ」
「俺にまかせな」

ジャックに小包が届いた。
「おや、サムからだ。どうせびっくり箱だろう。ま、オレ様は少々のことでは驚かねーぞ、サム」
小包の箱を開けると、白い煙が上がるだけで、中は空っぽだった。
「なんだ? くだらねーな」

ジャックはそのあと病院に運ばれた。幸い気絶しただけなんだが。
「ルーク。ちょっとやりすぎじゃないか」
「箱から飛び出して、あいさつしただけだぜ」
「ま、そうなるか。まさか親友にゴーストがいるなんて思ってねーからな」
その他
公開:20/12/24 23:14
びっくり箱 アメリカンショートショート

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。

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