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暗いうちに外に出る。
夜が終わって朝が来る。それはほんの少しの時間の楽しみ。
地平線は遠く、太陽が起き上がり少しずつ空の闇が溶けていく。

月は明るい星を従えて「まだ消えたくなの」と言う。
金星は細い月に寄り添い「そうね。もう少しここにいましょう」と言う。

ダイアナとヴィーナスの競演が東南東の空に見える。

「お姫様たちうっとりしてるけど、みんな気を抜くなよ。俺たちが邪魔をすると怖いくらいに怒るから。」
「あ、ちょっとそこの切れっ端の奴! 前に出ちゃダメ。姫たちの姿消えちゃうよ。気をつけて」
雲たちは暗く寒い空の中を右往左往する。

「私たちがいちばん綺麗」
「私たちを見て。素敵でしょ」

彼は誰時。

いちばん美しい時間。
ファンタジー
公開:20/12/24 18:50

さとうつばめ( 東京 )

東京生まれ。
読書するジャンルは時代もの多め。ふふ。

*プロフィールお堅いので変えました。
書くの面白くて連投しましたが、長く続けるためにゆるゆるやっていこうかな。

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