栗寿益村

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山里にある栗寿益村では、大々的にクリスマスを祝う。
栗ごはん、栗おこわ、栗の渋皮煮、栗きんとん、栗まんじゅう、和栗のモンブランーー主食からスイーツまで栗づくしの食べ物が振る舞われる。
そう、栗寿益村は栗の産地で、秋に収穫された栗で作った料理が冬の食卓に欠かせず、栗と暮らしているようなものだ。
栗寿益村に降る雪は栗の形をしていて、辺り一面ロマンチックな銀世界は「マロンチック」と呼ぶ。
聖夜、クリスマスツリーは栗の木で、枝に吊るす飾りは、栗の木で作った星や柊、杖の形のキャンディ、天使、オーナメントボール、ソックス、ベル……。もちろん、ローソク立ては栗の木をくり抜いた器だし、スプーンやフォーク、箸、皿などの食器も栗の木でできていて、クリスマスケーキのデコレーションもマロングラッセだ。そして皆で『大きな栗の木の下で』を歌う。
栗寿益村のクリスマスは栗に感謝を込めて「栗住ます」や「栗済ます」と書く。
ファンタジー
公開:20/12/25 19:36
山里 クリスマス 栗ごはん 栗おこわ 栗の渋皮煮 栗きんとん 栗まんじゅう モンブラン マロン

山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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