オオカミの記者会見(400作品目記念)
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密を避ける時代に、記者会見場は取材のニンゲンで溢れかえっていた。そこに予定時刻を数分過ぎてくだんのものが登場する。そして、彼がおもむろに口を開いた。
「本日はわたくしめのために貴重なお時間をいただき恐縮いたします。たいした作品でもないものに【自信作】を連発したこと、深くお詫び申し上げます」
90度に腰を折り頭を下げると同時に炊きあがるフラッシュの嵐。それが収まると記者を代表した女性が質問を始める。
「ニンゲンと変わらない外見なのに、本当にオオカミなんですか?」
「はい。でも自分で気がついたのは狼生の途中からでした」
「そのきっかけは?」
「はい。動物占いで自分がオオカミだと知ったことが大きかったです。それから、しっぽ代わりにニンゲンで言う髪を伸ばし始め、ゴムでまとめていました」
「【自信作】を連発したのはなぜですか?」
「作品そのものを出せなかったので、せめてと思い……」
「本日はわたくしめのために貴重なお時間をいただき恐縮いたします。たいした作品でもないものに【自信作】を連発したこと、深くお詫び申し上げます」
90度に腰を折り頭を下げると同時に炊きあがるフラッシュの嵐。それが収まると記者を代表した女性が質問を始める。
「ニンゲンと変わらない外見なのに、本当にオオカミなんですか?」
「はい。でも自分で気がついたのは狼生の途中からでした」
「そのきっかけは?」
「はい。動物占いで自分がオオカミだと知ったことが大きかったです。それから、しっぽ代わりにニンゲンで言う髪を伸ばし始め、ゴムでまとめていました」
「【自信作】を連発したのはなぜですか?」
「作品そのものを出せなかったので、せめてと思い……」
ファンタジー
公開:20/12/25 16:41
400
そうなの。書けなかったの
クオリティを上げるプレッシャー
自信と気力の喪失
こんなことあるよね?
ということで、まだ生きてます
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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