気まぐれな姫

0
1

いつだって君は気まぐれで、僕はそんな君に振り回されている。 だけど困ったことに、その事に僕は嫌悪感を感じない…いや、むしろ喜んでいる。

君を喜ばせたい。 君に楽しんでもらいたい。
楽しい時は体全部で喜びを表す君が何より愛しい。

お散歩行かない? そう言って君は僕にくっついてくる。 甘いミルクの匂いがフワリとする。
今日は天気もいいので、僕は素直に従う。
「仰せのままに姫」と、軽く膝を折って外出の準備を整える。 その間君は急かすことなく、静かに僕を見つめたまま待っている。

一歩外へ出れば僕を置いてきぼりにするほど先を進むくせに、僕の姿が見えなくなると、泣きそうな顔で辺りを見回す。 その仕草が可愛くて、何度も見たくて、わざと隠れたりもした。 そんな僕を見つけると怒って文句を言うけれど、それはいつも振り回されてる僕のささやかな復讐さ。

さぁ、行こう。
今日はどのルートで愛犬と回ろうか…
その他
公開:20/12/25 13:33

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容