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私は視力を失った。暗闇の世界。足を一歩前に出すのが怖い。
それでも私は旅を続けた。なんとしてもこの世界から抜け出さなければ。
いつ頃からか、幻覚に悩まされるようになった。見たこともない植物が出現したり、見たこともない獣に襲われたりする。変なキノコを食べてしまったからだ。クソ、私としたことが。視力さえあれば……。
ある時、私の目の代わりをしてくれるという優しい人に出会った。
「気をつけて。そこには火を噴くツタがあります」
「いけない。ここは生物の脳を好物とする馬たちのテリトリーです。迂回しましょう」
私は怒った。
「からかうのはよしてくれ。そんなファンタジーみたいな話を私が易々と信じるとでも?私は早く地球から離れなければ……」
「地球? そんなもの遥か後方ですよ。あなたこそ私をからかっているんです?」
私は言葉を失った。
見ていたものは、見ていたものだったのだ。
それでも私は旅を続けた。なんとしてもこの世界から抜け出さなければ。
いつ頃からか、幻覚に悩まされるようになった。見たこともない植物が出現したり、見たこともない獣に襲われたりする。変なキノコを食べてしまったからだ。クソ、私としたことが。視力さえあれば……。
ある時、私の目の代わりをしてくれるという優しい人に出会った。
「気をつけて。そこには火を噴くツタがあります」
「いけない。ここは生物の脳を好物とする馬たちのテリトリーです。迂回しましょう」
私は怒った。
「からかうのはよしてくれ。そんなファンタジーみたいな話を私が易々と信じるとでも?私は早く地球から離れなければ……」
「地球? そんなもの遥か後方ですよ。あなたこそ私をからかっているんです?」
私は言葉を失った。
見ていたものは、見ていたものだったのだ。
ファンタジー
公開:20/12/23 17:10
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