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世界一有名なブルーダイアモンド。
吸い込まれるクリアなブルー。
うっとりする輝きと大きさ。
名前とは真逆のいわくつき。
現在、アメリカのスミソニアン博物館にある。

一生に一度は見てみたいと思っていたから。
見たいとは思ってたけど、欲しいとは思ってない。
この展示ケースの前にいる人のほとんどが、そうだろう。
横のいる彼は、どっちとも思ってなさそうだけど。
その彼の転勤で見られたわけだから、熱量が違っていても文句はない。

「ああいうのを手が届かないって言うのねえ」
まぶたの裏の青をつまみに、コーヒーを飲む。
両手で包んだカップの温もりに、ほぅっとする。
現実の目の前に、スッと小箱が出された。
「なあに?」
「君には白が似合うと思う」
「……白じゃなくて透明じゃない」
嬉しくて目の前は、ぼやける。
小箱の中に納まるダイアモンドの指輪。
照れた彼の横顔。
この後の返事は決まってる。
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公開:20/12/23 15:07

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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