その神社に本当に実在したのは

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草木も眠る丑三つ時。彼ら3人は肝試しと称して、とある神社に来ていた。鬱蒼とした木々に囲まれたその場所は、街灯もなく真っ暗で、時折、梟の鳴く声がかすかに聞こえる。12月ということもあり、地に落ちた枯れ葉が風によってカサカサと音をさせる。

小高い丘に見えるその場所は古い古墳の上であった。石段を登り鳥居をくぐればすぐに本殿へたどり着くはずであったのに、いまだに彼らは暗闇の中を歩いていた。

「おにいさんたち、道に迷ったの? ぼくが案内してあげるよ」

突然、10歳くらいの少年が現れてそう言った。彼らは一瞬身をこわばらせたが、純朴そうなその子に頼ることにした。難なく本殿にたどり着くと、そこにはほうきを持った初老の禰宜がいた。

「これは難儀をしましたね。まあ、冷えたでしょうから茶でも差し上げましょう」

社務所に通された彼ら。いつの間にか寝てしまった。

そして、気がつくと地べたに寝ていたのだ。
ホラー
公開:20/12/23 08:49
397 少年の幽霊 禰宜は実態がない 神社も廃棄された場所 そもそも何もなかった そして彼らは実在したのか

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

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