ユカリフラワー
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昭和レトロな看板に「ユカリフラワー」と書かれている。店の前に沢山並んだ花を見ていたら盆栽好きだった祖母を思い出し、白い花の鉢植えを1つ、手に取って中へ入った。「いらっしゃい。」声の方を見あげると、少し緑がかった色白の女性が、キャベツの葉っぱを1枚1枚はがすように、顔の皮をぺリぺリと剥がしていた。ひいっ!驚きながらも、彼女の胸の名札に「玉菜」の文字を見つけ、少し納得…したものの、お会計のためにと渡した花を、彼女は自分の胸元に入れてしまった。あ…。その瞬間、彼女の顔がパカっと割れて…中から真っ白いカリフラワーがでてきた。「女湯はあちらですよ。」あ、ここは銭湯だったのか。
ドン!脱衣場から小さな少女がとびだしてぶつかった。昔写真でみた祖母の少女時代も、こんな風にシロツメクサの花冠をつけていたっけ。「こっちこっちー。」少女に連れられて奥に進むと、浴槽いっぱいに、真っ白いカリフラワーが浮かんでいた。
ドン!脱衣場から小さな少女がとびだしてぶつかった。昔写真でみた祖母の少女時代も、こんな風にシロツメクサの花冠をつけていたっけ。「こっちこっちー。」少女に連れられて奥に進むと、浴槽いっぱいに、真っ白いカリフラワーが浮かんでいた。
その他
公開:20/12/23 00:02
初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
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