連理の木

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僕には人には言えない願望がある。それは永遠の伴侶が欲しいというもの。生半可な相手ではいけない。僕が死ぬその時まで、僕を包み込む様な愛で満たしてくれる。僕がいないと生きていけないと、全身全霊で体現してくれる様な伴侶。今まで様々な相手と交際してきたが、全員中途半端な覚悟しか持っていなかったからすぐに別れる事になってしまう。僕の欲望を真に満たすためには、人間ではダメなのかもしれない。知り合いの農学者の前で泥酔しながらそんな事を喚いていたら、奴は一粒の種をくれた。
「お前の望みの相手だよ。噛まずに飲んでやれ。」
言われるがまま、酒と一緒に流し込む。その途端、意識を失ってしまった。
次の日。頭痛と共に目覚めると僕の頭から小さな芽が出ていた。慌てて奴に電話するとやつはこう答えた。
「最近俺が開発した新種のガジュマルだ。人間にも寄生できるようにしたんだ。」
僕は芽を引っこ抜いた。そういう事じゃない。
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公開:20/12/24 12:43

じょに

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