プレゼントは、インク瓶。

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 クリスマスの日。おじいちゃんから小包が届いた。開けてみるとそこには、インク瓶。


 これ何に使えばいいのかな。
 わからないから、僕はずっとインク瓶を見つめるだけ。

 「ねぇ、おじいちゃん。これ、どうしたらいいの?」
 おじいちゃんはここにはいないから、僕の質問には答えてくれない。



 …あれ?



 さっきまで黒色だったのに、晴れた日の空の色になってる。


 「まさか…おじいちゃん…」
 





 おじいちゃんは言ってた。
 「おじいちゃんが天国へ行ったら、お前に天国の空を見せてあげよう」って。

 そっか。おじいちゃんはちゃんと約束を守ってくれたんだ。

 “ありがとう”が言いたくて、窓を開けた。
 大きく息を吸って、僕は叫んだ。
 「おじいちゃん、すっごくきれいな空だね!ありがとう!!」


 見上げた空は、インク瓶が溢れたようにそれはそれはきれいな水色だった。
その他
公開:20/12/21 14:37
更新:20/12/21 14:42

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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