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高層高級デパートに初めて足を運んだ。
本日2月1日匂いの日イベント開催
店員さん達の前を通り過ぎると淡い香りが僕を包んだ。
これよ、高級感あふれる香りって!
30階を目指し優雅な気持ちでエレベーターに乗ると空気が一変した。エレベーターガールの髪は汗でワカメのように頭皮にへばりつき、客は般若の形相で僕を睨み鼻を突く臭いが脳に刺さる。
「本日は各階の臭いを当てていただき、当たった方のみ降りることができます。」
客の目が血走っている。
3階のドアが開扉し汗まみれの紳士が叫んだ。
「炙り鮭の香!」
「惜しい【駿河の】が足りません。」
「くそッ」
彼がドアを叩いた。今度は4階のドアが開いた途端後方で声がする。
「分かった、南インドサンバルカレー!」
「お見事。」
「8階。」
彼女は転がるように8階で降りた。
29階が開扉し蛍の光をBGMに僕は声を絞り出した。
「母さんの味噌汁!」
「お見事!」
本日2月1日匂いの日イベント開催
店員さん達の前を通り過ぎると淡い香りが僕を包んだ。
これよ、高級感あふれる香りって!
30階を目指し優雅な気持ちでエレベーターに乗ると空気が一変した。エレベーターガールの髪は汗でワカメのように頭皮にへばりつき、客は般若の形相で僕を睨み鼻を突く臭いが脳に刺さる。
「本日は各階の臭いを当てていただき、当たった方のみ降りることができます。」
客の目が血走っている。
3階のドアが開扉し汗まみれの紳士が叫んだ。
「炙り鮭の香!」
「惜しい【駿河の】が足りません。」
「くそッ」
彼がドアを叩いた。今度は4階のドアが開いた途端後方で声がする。
「分かった、南インドサンバルカレー!」
「お見事。」
「8階。」
彼女は転がるように8階で降りた。
29階が開扉し蛍の光をBGMに僕は声を絞り出した。
「母さんの味噌汁!」
「お見事!」
ミステリー・推理
公開:20/12/21 14:11
書くことが好きでいつか色々書いてみたいと思っていましたが、今年、ついにタイミングが揃いスイッチが入りました。初心者ですがどうぞよろしくお願いします。
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