最速フレンド

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同じ時間に、自転車で家に帰る。奴も学校帰りか、毎日同じ時間に、自転車でその道を通る。俺と奴は毎日出会った。出会うだけなら別にいい。だが、俺がこんなにも憎々しげなのは、奴が俺のことを自転車で追い抜かすからだ。これも、ただ追い抜かすだけなら怒ることではないだろう。しかし!あの舐め腐った、まるでゴミ袋を通過するような目は何だ!人間に対する表情か?その日から激闘は始まった。部活で全身に疲労が溜まっていたが、あの目をされるのは耐えられない。必死でペダルを踏みこむ。一進一退の攻防。勝った日の飯はうまい。負けた日の飯は塩辛い。だが、ある日俺はミスを犯した。勝負に白熱するあまり、歩行者をひっかけてしまったのだ。幸いその人に怪我はなかったが、俺の頭は真っ白になっていた。「すみません。俺たちのせいです」そのとき、隣で頭を下げたのは、他でもない、奴だった。

 俺たちは反省して、自己紹介をして、友達になった。
青春
公開:20/12/22 16:07

shomin shinkai( 日本 )

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