加質器
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勉強は捗らず、人間関係もぐちゃぐちゃ。上手くいかない日々。嫌になる。大通りを避けて、路地裏へ。
「あれ?こんなところに雑貨屋さんができてる」
「いらっしゃいませ」
老店主が私を迎え入れる。
ふと、あるものが目に留まった。
「加質器?これ誤字ですか?」
「いいえ。こちらは、“加質器”といって、使えば使うほど、資質を高めてくれるという不思議なものなんですよ」
水を入れて、スイッチを押す。揺らめく蒸気。なんだか心が落ち着くような…。
毎日、毎日。加質器を使った。
勉強も捗るようになり、人間関係も上手くいくようになった。
「加質器、すごい!」
老店主にお礼が言いたくなり、雑貨屋へ向かう。
「加質器のおかげで、毎日上手くいくようになったんです!」
すると老店主は、微笑んで言った。
「いいえ。加質器ではありません。紛れもない、あなたさまの資質と努力ですよ」
「あれ?こんなところに雑貨屋さんができてる」
「いらっしゃいませ」
老店主が私を迎え入れる。
ふと、あるものが目に留まった。
「加質器?これ誤字ですか?」
「いいえ。こちらは、“加質器”といって、使えば使うほど、資質を高めてくれるという不思議なものなんですよ」
水を入れて、スイッチを押す。揺らめく蒸気。なんだか心が落ち着くような…。
毎日、毎日。加質器を使った。
勉強も捗るようになり、人間関係も上手くいくようになった。
「加質器、すごい!」
老店主にお礼が言いたくなり、雑貨屋へ向かう。
「加質器のおかげで、毎日上手くいくようになったんです!」
すると老店主は、微笑んで言った。
「いいえ。加質器ではありません。紛れもない、あなたさまの資質と努力ですよ」
その他
公開:20/12/21 22:42
更新:20/12/22 16:06
更新:20/12/22 16:06
記念すべき85作目
書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』
note https://note.com/sumire_ssg
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