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                                澄み渡るような青空は、昔の誓いを思い出させる。
病室はいつか出会った人達のくれた、沢山の美しい花々で彩られていた。
近所のおじさん。バス停で出会った妊婦さん。駅で出会った母娘に、掃除のおばちゃん。本当に沢山の人が来てくれた。
私は最後の力を振り絞り、娘に向き直った。
「いい?貴方の命も物語も全て、縁の紡いだ円の上で巡りめぐっているの。だから貴方には縁を大事にして、この思いをこれから先も繋いで欲しい。そしたらきっと温かい未来が……。」
その言葉を最後に母は息を引き取った。
「わざわざ荷物を家まで運んでくれてありがとうね」
優しそうな老夫婦が丁寧に頭を下げる。
困っている人には手をさしのべる。それは母の姿を見習ったものだった。
いつもそこには、不思議な温かさが漂う。
きっとこれが、母の伝えたかったことなのだ。
私は澄み渡る青空を見上げ、母の託した思いを未来へ繋いでいくのだと誓った。
    病室はいつか出会った人達のくれた、沢山の美しい花々で彩られていた。
近所のおじさん。バス停で出会った妊婦さん。駅で出会った母娘に、掃除のおばちゃん。本当に沢山の人が来てくれた。
私は最後の力を振り絞り、娘に向き直った。
「いい?貴方の命も物語も全て、縁の紡いだ円の上で巡りめぐっているの。だから貴方には縁を大事にして、この思いをこれから先も繋いで欲しい。そしたらきっと温かい未来が……。」
その言葉を最後に母は息を引き取った。
「わざわざ荷物を家まで運んでくれてありがとうね」
優しそうな老夫婦が丁寧に頭を下げる。
困っている人には手をさしのべる。それは母の姿を見習ったものだった。
いつもそこには、不思議な温かさが漂う。
きっとこれが、母の伝えたかったことなのだ。
私は澄み渡る青空を見上げ、母の託した思いを未来へ繋いでいくのだと誓った。
        その他
      
      公開:20/12/19 21:29
更新:20/12/19 21:33
    更新:20/12/19 21:33
                  #縁 #円 
              
    noteでも日々思いついたショートストーリーを細々と投稿中。理系大学生。将来も日々模索中。
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                やまアラシ