理科室と璃子

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璃子は担任に頼まれた薬品を取る為に理科室に入った。

薬品を見つけたと同時に誰かの視線を背中に感じた。振り返って見てもそこには誰もいない×2回。そうです。理科室によくある人体模型です。右半身が裸体、左半身が内臓剥き出しの。

本当の人体の様な模型だな、と璃子は思った。しばらく眺めた後、璃子は理科室を後にした。

職員室で担任であり理科の教師である藍に薬品を渡した。

「ありがとう、今ポットでお湯沸かしてるから、お茶飲んで行きな」

そう璃子に言うと、藍は薬品を一息に飲んだ。

ほどなくして藍の身体から蒸気が上がり、耐え難い臭気と共に左半身の皮膚が爛れて床に落ちた。

璃子はその様子をただ眺めていた。丁度ポットがお湯が沸いたことを知らせた。

藍は爛れた左手でコップを持ち、健全な右手でお湯を注いだ。

「はい、どうぞ」

璃子はそのお茶を飲んだ。ぬるかった。ポットを買い替えるよう藍に言った。
その他
公開:20/12/20 23:29

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