時間のつぼみ

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ある屋敷のビニールハウスに忍び込んだ俺は度肝を抜かれた。
そこには高級腕時計の数々がまるで花のように鉢植えから伸びているではないか。
その一つに手を伸ばす。プチっと千切り、俺は急いでビニールハウスを出た。
家に帰り、早速腕時計を巻いてみる。ああ…憧れの高級腕時計…最高だ。あとは時間を合わせてっと…
つまみを捻ると腕に激痛が走った。見れば腕時計から管が伸び、俺の手首に刺さっている。それは物凄い勢いで俺の血を吸い上げ始めた。抵抗は無意味だった…

「またミイラか…これで何件目だ?」
その遺体を見た警察は顔を顰める。この町では同様のミイラ死体が発見される事がよくある。
そのミイラに共通する事は必ず手首を起点とし、植物の苗床になっている事。
「不気味な花だ…」
血の様に真っ赤なつぼみを見て警察は吐き捨てる。
そして遺体は上の指示に従い、いつものように屋敷のビニールハウスへと運び込まれた。
ホラー
公開:20/12/18 19:23

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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