霜焼け

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 高校生になるとみんな掃除なんて真面目にやらないみたい。だから教室の掃除は吉川君と私の2人だけ。彼はテニス部のキャプテンで人気者。いつも彼を見たさに女子達は掃除もしないで教室前の廊下に集まってくる。この前なんて、彼と一言話しただけで彼女達に睨まれた。
 彼はそんなこと気にもしないで黙々と掃除し、人が嫌がる事も率先してやってくれる。
 2人で机を移動して掃き掃除。彼がゴミ出しに行ってる間に私が床を拭いて、帰ってきたら2人で机を戻す決まり。
 私の唯一の幸せな時間。
 今日も彼がゴミ出しに行くと取り巻き達も付いていく。暫くして彼が走って戻ってきた。
「いつも拭き掃除任せてばかりでごめん。これ、クリスマスプレゼント。お前の手、霜焼けで赤くなって辛そうだったから。じゃ、ゴミ出し行ってくる」

 取り巻き達をまいてきたみたい。中にはリボンの着いた可愛い手袋と手紙が。
 私は頬が霜焼けになったみたい。
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公開:20/12/18 17:59
更新:20/12/18 23:06

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
 どうかよろしくお願いいたします。

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