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天下無敵洗剤!
業界初、全て元通りにしてくれる洗剤上陸!
ついに彼女から貰った手編みのマフラーに派手に付着した醤油のシミとおさらばだ。貰ってから一度も着ていないことに彼女は不服そうだった。
「あれは特別だから、記念日に着るよ。」
「嬉しい!じゃ、クリスマスディナーね。」
ホッとする僕。
明日は勝負日。この洗剤があれば何とか元通りの色に戻るかもしれない。
急いで庭の水場へ行きマフラーに洗剤を一気にかけた。
僕は盛り上がる泡の中に手を突っ込み、マフラーを優しく押し続けた。暫くすると、ギュと僕が押す音に合いの手を入れるように声がする。
「メェ、メェ、強すぎ!」
「痛っ!優しくメェ。」
「ええ?ええ?」
泡の中からマフラーを引っ張ると、びっしょり濡れた黄色と赤色をした羊がつぶらな瞳でチラリと僕を見た後、庭へ向かって高くジャンプした。遠ざかる意識の中、青空に映える二色が眩しかった。
業界初、全て元通りにしてくれる洗剤上陸!
ついに彼女から貰った手編みのマフラーに派手に付着した醤油のシミとおさらばだ。貰ってから一度も着ていないことに彼女は不服そうだった。
「あれは特別だから、記念日に着るよ。」
「嬉しい!じゃ、クリスマスディナーね。」
ホッとする僕。
明日は勝負日。この洗剤があれば何とか元通りの色に戻るかもしれない。
急いで庭の水場へ行きマフラーに洗剤を一気にかけた。
僕は盛り上がる泡の中に手を突っ込み、マフラーを優しく押し続けた。暫くすると、ギュと僕が押す音に合いの手を入れるように声がする。
「メェ、メェ、強すぎ!」
「痛っ!優しくメェ。」
「ええ?ええ?」
泡の中からマフラーを引っ張ると、びっしょり濡れた黄色と赤色をした羊がつぶらな瞳でチラリと僕を見た後、庭へ向かって高くジャンプした。遠ざかる意識の中、青空に映える二色が眩しかった。
ファンタジー
公開:20/12/19 02:53
更新:20/12/19 03:25
更新:20/12/19 03:25
書くことが好きでいつか色々書いてみたいと思っていましたが、今年、ついにタイミングが揃いスイッチが入りました。初心者ですがどうぞよろしくお願いします。
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