トラベリング

2
2

私は旅行が好きだ。暇を見つけてはこの身一つで外に飛び出していく。
旅行は私にとってライフワークと言っても過言ではない。旅先での出会いが楽しみでならない。
行き当たりばったりの旅行はその日の宿など特に決めていない。さて、どこに泊まろうか…私は人知れず大声で叫ぶ。「誰か泊めて下さい!」
私の声に反応した人は無意識に指を立てる。「この指、泊~まれ」
その指先を見て私は今日の宿…いや、宿主を決めた。
今日の宿主の体は自分磨きが行き届いているのか、地味な外見からは想像もできないくらいに中身は精緻な作りとなっていた。
神は細部に宿る。ここは私が泊まるに相応しい宿主だ。
荷物を置いて、中を散策する。頭の中の書庫は興味深い記憶と経験で一杯だった。
心の温泉は視野が広い露天風呂。最高の眺めだ。
この宿主はまた利用したい。だから私はここを出る前にご縁を支払った。
私、幸運の女神の加護があらんことを…ってね!
公開:20/12/18 20:23
更新:20/12/21 19:15

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容