とあるリーマンの休日

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遮光カーテンを閉じていると、朝になっても部屋は暗いままだ。ぐっすりと眠っていたいような日には、必須のアイテム。

十時過ぎまで惰眠を貪り、やっと起きても、すぐには布団から出る気にもならない。休日を有効に活用しよう、なんていう殊勝な考えは冬将軍の咳払いで霧散してしまう。

年末を間近にして、プロジェクトは山場を迎えている。平日の労苦は質量をそのままに、休日の怠惰へと姿を変える。

生活するために働いているのか、働くために生活があるのか、段々わからなくなってくる。

テレビ・ニュースは今日もつまらない話を繰り返している。ザッピングを試すが、釣れるのはろくでもないガラクタばかりだ。

世界が病んでいるのか、僕の病が世界を歪めているのか。

希望の歌は聴き飽きた。野望も夢も欲しくはない。ただ真っ当な生活と、たまに贅沢ができればそれで満足なのに。

あっという間に日が暮れて、また、一週間が始まる。
その他
公開:20/12/17 07:00

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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