縁結びの神

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祐樹は恋人がいないのを悩んでいて、馴染みの占い師の老婆に相談した。
老婆は赤い石の指輪を見せた。「これを使うといい。不思議な力があってね。運命の相手が現れると光りだすんだ」
以来、祐樹はどこへ行くにも指輪をつけた。出会いを求め色々な場所にも足を運ぶ。社交クラブやパーティーに。
だが指輪は光らなかった。広範囲に行動しても一向に光らない。
祐樹は焦りを感じた。虚しく日々が過ぎた。

ある日、祐樹がカフェにいると指輪が赤く光り出した。「これは……」
丁度そこに幼馴染の雪奈が来店した。普段意識はしないが、いつも自分のそばにいた。雪奈が運命の相手だったのか。
やがて二人は交際を始めることに……。

雪奈は老婆を訪ねた。
「うまくいった?」老婆は言った。
「なかなか振り向いてくれなかったけど、うまくいきました」雪奈は老婆にスイッチを渡した。
「これを押すと赤く光るだけのしかけなのにねえ」老婆は笑った。
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公開:20/12/18 00:03

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