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コーヒーとみるくの匂いが染み込んだ
このクラい暗いにおい

夢の中に入っていくように
木の奥に入ってみれば
たくさんの思い出が
ティータイムをしている
誰にも私にもわからないコトバで
好きだったこと嫌だったこと
全部話して
消えていく

そしてあらたしい
思い出がその椅子に座る

私はそんな思い出たちに目を向けながら
小綺麗な店内とは正反対の
砂糖とコーヒーと紅茶とが混ざり合った何かが
こびりついたティーカップに口づけて
コーヒーを飲む

あんまりにも
しんなりした空気だから
わははと急に笑い出したくなった

笑わなかったけれど

思い出たちだけが私の思いつきに気がついたのか
ギロッとこっちを見た

カランコロン

誰の待ち人だろう
こっちを見てるわ

私の待ち人だったみたい

では、また

思い出を作ってくるわ
公開:20/12/16 20:47
更新:20/12/17 20:48

ぱせりのは

kireinamonogasuki

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