試験にパスしよう　その２

「で、そうなったんですか…」
すったもんだはあったものの、結局ボスの意見が通り『あざとさ共通試験』なるものが実施されることになった。
「その内容は…？」
集会のすったもんだのせいか、はたまた試験内容のせいか、いやその両方か、とにかく心身ともに疲れまくった俺が伝えたためか、ただ話を聞いていただけの部下たちも疲れた様子で聞いてきた。
「三丁目に魚屋があるだろ」
「ああ、確かウオマサさん」
「そう。そこの店主に好かれて、魚の切り身をもらうこと、だってよ」
たっぷり30秒の沈黙があった。
「でも、あそこのご店主って…」
「だからこそ試験の意味があるんだろ。俺たち猫を嫌っている人間に好かれてこそ、なあ」