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この街はいつ来ても変わらない
ひと と ひと とがすれ違うたびに
会釈し合うのも
雨のたびに
傘が相手の肩に触れぬように
自分の方に少し傾けるのも
変わらない
ただ
空だけ昔とは少し違うかもしれない

この街の隅にあるガラスの扉もそのまま
黄色い光を反射して私たちをいつまでも照らしている
私ばかりいつの間にか歳をとってしまったみたいで
あの扉は今も
この街の光を浴びて輝いている

ステンドグラスとは違う
ただの透明な分厚いガラス
触ると夏でもひんやりしていて
氷みたいだった
今は
冬だから触れようとは思わないけれど
ずっとそのまま輝いている

思い出せば
反抗期の私は
この扉殴って泣いてたっけ
そのときの涙もこの扉のなかに隠されてるかしら

忘れかけた思い出が
ここにある
ここに来れば思い出す
このガラスをとおして全てがうつる
その他
公開:20/12/17 16:02
更新:20/12/17 20:20
とびら 綺麗 ぱせり

ぱせりのは

kireinamonogasuki

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