14
9
迂闊なことを言ったものだ。
酒は飲んでも呑まれるな。
編集部の扉を勢いよく開いて、またあの新人がやってきた。
「できました! どうですか、これなら」
彼は自信たっぷりの笑みで私を見下ろしながら新たなネームを差し出した。私は表紙の絵を見てすぐに察する。
「ふうん、で、これ、どういうストーリーなのかな」
彼は嬉しげに口を歪め、純朴な瞳を煌めかせて言った。
「まあ読んでみてくださいよ!」
読むまでもなかろう。
「これさ、俺の予想なんだけど、アンパンの顔をしたスーパーヒーローが、お腹のポケットに忍ばせた不思議な道具を使って、魚の名前のついた家族を助けたり助けなかったりする日常系ギャグ漫画なんじゃないの」
彼はあんぐりと口を開け、愕然とした調子で答えた。
「なぜわかったんです?!」
「漫画家目指すならさ、もうちょいインプットしなって。マジで」
彼は天才発明家だ。ただしすべては、車輪の再発明……。
酒は飲んでも呑まれるな。
編集部の扉を勢いよく開いて、またあの新人がやってきた。
「できました! どうですか、これなら」
彼は自信たっぷりの笑みで私を見下ろしながら新たなネームを差し出した。私は表紙の絵を見てすぐに察する。
「ふうん、で、これ、どういうストーリーなのかな」
彼は嬉しげに口を歪め、純朴な瞳を煌めかせて言った。
「まあ読んでみてくださいよ!」
読むまでもなかろう。
「これさ、俺の予想なんだけど、アンパンの顔をしたスーパーヒーローが、お腹のポケットに忍ばせた不思議な道具を使って、魚の名前のついた家族を助けたり助けなかったりする日常系ギャグ漫画なんじゃないの」
彼はあんぐりと口を開け、愕然とした調子で答えた。
「なぜわかったんです?!」
「漫画家目指すならさ、もうちょいインプットしなって。マジで」
彼は天才発明家だ。ただしすべては、車輪の再発明……。
その他
公開:20/12/14 07:00
更新:20/12/14 06:39
更新:20/12/14 06:39
さまようアラフォー主夫
ログインするとコメントを投稿できます