充電してください。

2
3

「1%」
充電が切れる!
クソ、今朝充電せずに家を出たばっかりに。
冷や汗と動悸が止まらない。周りには人が沢山いる。こんなところで充電が切れたらどうなってしまうんだ。
落ち着こう。慌ててもしょうがない。それに、慌てていたらなんだか余計に早く充電が切れる気がする。もうすぐ最寄駅に着く。深呼吸、深呼吸だ。

ホームを飛び出し、足早に家に帰り、玄関に転がり込む。ヤバイ、意識が朦朧としてきた。
部屋に入るとすぐに充電コードを手首に接続した。ポーンという機械音が頭に響き、思考がクリアになっていく。

「危なかった」

安堵し、呟いた。全く、生きた心地がしなかった。明日は充電するのを忘れないようにしなければ。
SF
公開:20/12/13 23:06

リンムー( 東京 )

大学生
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