アブローチ

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「私って魅力ないのかなぁ…この前の合コンもダメだった…」
居酒屋で親友のヤケ酒に付き合う私は苦笑いを浮かべる。
「ねぇ、男受けするいいアプローチ方法あったら教えてよ」
『男受けする方法ねぇ…目を惹くってだけならこれ使ってみる?』
私は親友にブローチを差し出す。
「何これ?」
『アブローチ。貴方だけの宝石』
「何それ」
親友は笑いながらアブローチを着ける。
「へぇ…これいいわね。何だか私の魅力が増したみたい」
『それを着けたら、男共は貴方にアプローチを仕掛けてくるよ』
親友は席を立つと店をくるりと回る。男共は親友に釘付けだ。
『どう?皆、貴方を見ていたよ』
「う~ん…ダメね」
『どうして?何が不満なの?』
「私が一番迫って来て欲しい相手が今も反応しないからよ」
親友の言葉の意味を少し考え…顔を赤くする。えっ…そんな…まさか…
「私がこんなにアプローチしかけてるのよ。早く気付きなさいよ…バカ」
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公開:20/12/12 20:22

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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