超能力(テレパシー編)

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 俺はテレパシーが使える。発信のみで他人の考えは受信できない。
 最初に気付いたのは中2の時。隣の席の坂下が全てのテストで俺と全く同じ答えを書きカンニングを疑われた。机の落書きまで同じで確信を得た。試験等、強く念じた時に能力が発動するようだ。それまでも無意識に発信してたようだが、勉強できない俺の考えは無視されてきたのだ。俺よりバカな坂下のおかげで気付けた。
 検証を重ねた結果、声色までは伝わらず、ぼんやり考えが浮かぶので自分の思考と錯覚する事もあるようだ。伝播距離1m程。この能力を何かで活かせないか。
 そして高3の秋。俺は遂に千載一遇のチャンスを得た! 憧れの理奈ちゃんが右隣の席に。左隣は校庭だ。俺は授業中に念じ続けた。
『何これ? 隣が凄く気になる! よく見るとカッコよくない? 私、彼が好きかも。いや好き! 告白しよう!』
 赤面して俯く理奈♡
 翌日、理奈は右隣の坂下に告白していた。
SF
公開:20/12/12 18:48
更新:20/12/14 06:56

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
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