時速一時間

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道に迷っていた。
このままで進んでいいのか、方向はあっているのか、自分の現在地すらわからない。

道は無限に分かれている。前後左右、坂道もあれば下り道もあり、障害物もある。
僕らに道を教えてくれる人は沢山いて、最初は同じ位置にいたみんなは少しずつ違う方向に歩きだす。

教えてくれた道に教えてくれた道に逆らって違う方向に走っていった人もいた。けれど誰もここには戻ってこない。引き返すという選択肢はないのである。

引き返せないということは一度選んだ道を歩き続けなければいけないということ。俺には他人の言葉に自分のこれからを懸ける信頼も自分の意志で自分の人生を決める度胸もない。

先の見えない無限の道に人は誰しも根拠のない自信と根拠のない悩みを抱える。脳はぐるぐると回るのに足も口も決して回らない。頭だけが先行して前のめりに倒れ込む。

けれども最後は自分で決めた道を行く。

人はそれを人生と呼ぶ。
青春
公開:20/12/13 16:47

めうっ!

2020/12/13登録。
基本的に思いついたらそのまま400文字書く人なので書き溜めとかプロットは一切ないです。作品投稿をクリックして初めて作品と向き合います。
この文字数になるとショートショートっていうかポエム……いやなんでもないです。

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