魔女の仕事

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「鏡よ鏡。今一番美しいのはだぁれ」

『令奈さんです』

 さぁ、今日も毒りんご作りの始まり。

 トカゲのしっぽに魔女の涙。その他は企業秘密である。

 見た目は極普通のりんごをバスケットに入れ、裾の長い黒のコートを羽織り、フードを深く被る。

 最後に鏡に映った地図を見ると、勢いよくドアを開けて外へと歩き出した。

(コンコン)

「はい」

 中から甲高い声が聞こえてくる。

「りんごを売りに来ました」

 すると、先程鏡に映っていた少女がドアから顔を出し、一万円札を手渡して、りんごを一つ手に取った。

「……幸運を」

 空白のできたバスケットに一万円札を入れ、また家へと歩き出した。

「未だ白雪姫という娘のみ、か」

 私の仕事は、幸運を運ぶ仕事。

 王子が現れるかは、その人次第。

「鏡よ鏡。今一番美しいのはだぁれ」

『香織さんです』

 さぁ、今日も毒りんご作りの始まり。
ファンタジー
公開:20/12/13 01:28
更新:20/12/13 02:00
童話 白雪姫 魔女

十六夜

こんにちは 「いざよい」です。
ただただ好きで小説を読んだり書いたりしている高校生です! 
お気に入り、コメントを頂き感謝です(⋆ᵕᴗᵕ⋆)"

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