夜中の椿事
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夜、小説を書くためにノートパソコンを開けたら、顔を真っ赤にして膨れっ面をしている小柄な若い女性が画面に突き刺さっていた。
私がアッと小さく声を上げると、女性は膨れっ面のまま口を開く。
「ちょっと手伝って!」
「ど、どうすればいいんです?」
「身体がひっかかっちゃって、画面から抜け出せないの! 両手、引っ張ってくれる?」
「はぁ……」
このままでは小説が書けないので、私は言われるがままに、女性の両手を持った。まるで氷のように冷たい。
「いきますよ?」
女性が頷くので、私は軽く彼女の両手を引っ張った。すると、彼女の身体はポン、と画面から抜けた。大きさも等身大に戻っている。
「フゥ、助かった……。もう抜け出せないかと思った。ありがとうね」
女性は恥ずかし気にそう言うと、私の目の前からフッと消えてしまった
そこでようやく私は、彼女がこの世のものではなかったのだ、ということに気が付いた。
私がアッと小さく声を上げると、女性は膨れっ面のまま口を開く。
「ちょっと手伝って!」
「ど、どうすればいいんです?」
「身体がひっかかっちゃって、画面から抜け出せないの! 両手、引っ張ってくれる?」
「はぁ……」
このままでは小説が書けないので、私は言われるがままに、女性の両手を持った。まるで氷のように冷たい。
「いきますよ?」
女性が頷くので、私は軽く彼女の両手を引っ張った。すると、彼女の身体はポン、と画面から抜けた。大きさも等身大に戻っている。
「フゥ、助かった……。もう抜け出せないかと思った。ありがとうね」
女性は恥ずかし気にそう言うと、私の目の前からフッと消えてしまった
そこでようやく私は、彼女がこの世のものではなかったのだ、ということに気が付いた。
ファンタジー
公開:20/12/11 07:53
マジックリアリズム
幻想日和
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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