常蛾計画

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頭の上がモソモソする。虫?嫌だな。でも眠い。と思ったものの、こわごわ頭に手をやってみた。
むにっ
柔らかい感触。もしや幼虫?こわごわ手にとり読書灯で照らす。それは、緑色の小さな幼虫だった。普通の幼虫と違うのは、頭が白で、小さなパラボラアンテナみたいに丸くて凹んでること。そして、小さな赤いリュックを背負っていること。そっと抑えてリュックを開けてみると、小さな銀色の箱の中に、白い粉のような薄い紙のようなものが入っていた。
これって……
僕のフケじゃん!
とその時、開いた窓の隙間から銀色のペットボトルみたいなのが飛んできて、僕の手のひらの上で静止。したかと思うとピカ―っと光を発した。と、その光に吸い込まれるように、幼虫は僕の手から上昇。幼虫をのせたペットボトルはツーっ平行移動で窓の外へと消えていった。月の探査ならぬ、僕の頭の探査? 

暗闇に灯る街灯のもと、無数の蛾の影が粉雪のように舞っている。
SF
公開:20/12/11 00:59
更新:20/12/11 01:07

マーモット( 長野県 )

初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
 

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