理想の
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私は、理想の恋人です。
愛する彼が望む恋人です。
彼が帰ってきたら必ず「おかえりなさい」って出迎えるし、彼の好きな物をいっぱい作っているの。
「おかえりなさい!今日は、貴方の好きなシチューにしたの!」
私がそう言うと、彼は嬉しそうに笑ってくれます。
私はそれが嬉しいの。
でも、最近彼はおかしいのです。
「おかえりなさい!今日は、貴方の好きなシチューにしたの!」
前はそう言うと嬉しそうに「ありがとう」って言ってくれたのに、最近はずっと何も言ってくれないの。
ねぇ、どうしたの?
「なんか、飽きたな」
ある日、彼はそう呟きました。とても小さい声だったけど、すぐそばにいたから聞き取れました。
嫌、嫌、嫌!
「やめて!お願い!!私もっとちゃんと、やるから!」
それだけはやめて。
でも、彼の手が、そっと、触れる。
それは、リセットボタン。
『データは削除されました。初めからやり直して下さい』
愛する彼が望む恋人です。
彼が帰ってきたら必ず「おかえりなさい」って出迎えるし、彼の好きな物をいっぱい作っているの。
「おかえりなさい!今日は、貴方の好きなシチューにしたの!」
私がそう言うと、彼は嬉しそうに笑ってくれます。
私はそれが嬉しいの。
でも、最近彼はおかしいのです。
「おかえりなさい!今日は、貴方の好きなシチューにしたの!」
前はそう言うと嬉しそうに「ありがとう」って言ってくれたのに、最近はずっと何も言ってくれないの。
ねぇ、どうしたの?
「なんか、飽きたな」
ある日、彼はそう呟きました。とても小さい声だったけど、すぐそばにいたから聞き取れました。
嫌、嫌、嫌!
「やめて!お願い!!私もっとちゃんと、やるから!」
それだけはやめて。
でも、彼の手が、そっと、触れる。
それは、リセットボタン。
『データは削除されました。初めからやり直して下さい』
ホラー
公開:20/12/10 23:23
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