ブループラネット

2
3

宇宙はいま、環境問題の悪化で多くの生物が絶滅の危機を迎えていた。
それは高度な知識を持つ我々も例外ではなかった。

生物学者のSは、長年ある生物を研究してきた。
この生物は我々には劣るものの、同じく知性があり、研究が進めばコミュニケーションもとることができると考えている。
「お前たちは、絶対に死なせないからな。」

宇宙環境がなぜ悪化してしまったかというと、我々の欲に原因があった。
自然も資源も削り、ごみと化学物質だけを生成し続けた結果がこれだった。

Sは自分たちが助からないことは知っていたが、罪のないこの生物はどうしても助けたかった。

そしてついに、遥か彼方に誰にも知られていない青い星を見つけた。
Sは青い星に降り立つと、生物をツガイで離した。
名前をアダムとイヴという。

どうかこの環境で繁殖し、絶滅しませんように。
宇宙がまだ豊かだった頃に似ている、このブループラネットで。
SF
公開:20/12/10 21:10
宇宙

御手洗 一貴

普段はTwittertで
画像1枚で物語が完結する『1枚小説』を
自由気ままに書いています。

★や感想を頂けると大変励みになります!
たまに返信に失敗します。(悔)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容