『再会』

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不思議だよな。もう、2度と会えない。そう思っていたはずなのに、どうして再会してしまったんだろう。これじゃあ、せっかく殺していた想いが溢れてきてしまうじゃないか。
 君があの日、泣いていたのは知っている。だけど、僕はそれに気づかないフリをして電車に乗った。
「やっと会えた」
 彼女が僕のことを見つけて初めに言った言葉はそれだった。
 大学進学を機に僕は彼女と離れ離れになった。別に恋人同士というわけではなかった。だけど、お互い両想いということはなんとなく分かっていた。
「どうしてここに・・・・・・」
 彼女は他の大学に進学したはずだ。ここにいるわけがない。だけど、彼女は僕の目の前にいる。
「留年しちゃった」
 そう言って、彼女は下をペロッと出した。
 ああ、本当に今ここに彼女がいる。僕は我慢しきれなくなって彼女抱きしめた。
 その瞬間、桜吹雪が舞った。この場の全てが僕らを祝福してくれていた。
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公開:20/12/09 23:03

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