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横断歩道を渡った先に、空っぽのみかんコンテナが五個、サイコロの目のように並べて置いてある。
その後ろに信号待ちの人々が並んでいる。
やがて車道の信号が赤になり、歩行者用信号が青に……ならない。待ち時間ゲージは10のままだ。
すると、背後から誰かが何かを投げ、それはガコンという音を立てて左奥のみかんコンテナに入った。ゲージが8になり、人々が歓声を上げた。続いて別の一人。カツン。失敗。横断歩道に落下したのはスマホだった。次。ガコン。成功。スマホは右手前のコンテナに入って、ゲージは6に。
どうやら、あの五個のみかんコンテナにスマホを投げ入れないと横断歩道を渡れないらしい。残りの人数は自分を入れてあと四人。コンテナはあと三個だ。
ガコン。三人で二個。カツン。二人で二個。もう失敗できない。
ガコン。あと一個。残ったのはど真ん中だ。全員が僕を見つめている。
大丈夫。僕は落ち着いている。
その後ろに信号待ちの人々が並んでいる。
やがて車道の信号が赤になり、歩行者用信号が青に……ならない。待ち時間ゲージは10のままだ。
すると、背後から誰かが何かを投げ、それはガコンという音を立てて左奥のみかんコンテナに入った。ゲージが8になり、人々が歓声を上げた。続いて別の一人。カツン。失敗。横断歩道に落下したのはスマホだった。次。ガコン。成功。スマホは右手前のコンテナに入って、ゲージは6に。
どうやら、あの五個のみかんコンテナにスマホを投げ入れないと横断歩道を渡れないらしい。残りの人数は自分を入れてあと四人。コンテナはあと三個だ。
ガコン。三人で二個。カツン。二人で二個。もう失敗できない。
ガコン。あと一個。残ったのはど真ん中だ。全員が僕を見つめている。
大丈夫。僕は落ち着いている。
その他
公開:20/12/09 21:56
無責任書き出しストック
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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