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その日の午後、家の掃除をしていると4歳の娘が来て私に言った。
「マルがいないの」
「え?」
マルは昔、実家で飼っていた犬だ。
娘の言葉が理解出来なかった私は、しゃがんで娘に聞いた。
「どういう事?」
娘は私の手を引いて歩き出した。
「え..どうしたの?」
そして、私が昔描いたマルの絵の前まで私を導いて止まった。
「あれぇ?いる」
不思議そうな顔で私を見つめる。
私は少し可笑しくなって、娘の頭を撫でながら言った。
「散歩に行ってたんだね」
「さんぽ、いってたのか..」
不思議そうに絵を見つめている娘を置いて、私は掃除を再開した。
数分後。スマホに母から着信がきた。
「もしも..」
母はいきなり話しだした。
「ねえ!聞いて!さっき危なく車にぶつかるところだったんだけど、後ろからグッて引っ張られて助かったの!後ろ見たら誰もいないのよ!」

「え?」

私の胸にシッポを振るマルの姿が蘇った..
ファンタジー
公開:20/12/09 19:01
更新:20/12/10 10:27

ミックジャギー( 東京 )

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す、すみません..
コンテストの為に投稿したので、こちらのサイトの事はまだよく解っていません..

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