お母さんはお医者さん

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私の母はお医者さんだ。
普段は掃除、洗濯、炊事等々をこなす普通の主婦である。
しかし、私の大事な友達を何度も救ってくれた。
犬に噛まれて腕がもげた友人も、二階から落ちて体がバラバラになった友人も救ってくれた。
私が泣いて助けを求めれば、助けてくれたのが母だった。
そんな母も自分は治せなかった。

時が経ち、気づけば私も母になっていた。
そして、私もお医者さんとなっていた。
私に似て、よく泣く娘だ。今もクマの人形の腕が取れて泣いている。
私は娘から人形を受け取り、腕を縫い合わせる。
腕が治った人形を抱いて、安心して寝落ちする娘。
娘の頭を撫でて、昔、母に頭を撫でてもらったことを思い出す。

「お母さん、私はお母さんに慣れているかな。」
今は返事が必要のない質問であり、いつか返事が聞きたい質問だった。
ファンタジー
公開:20/12/10 15:16

こめだわら( 東京都 )

20代後半、奈良県出身。
文章構成等々のご指摘をいただけますと幸いです。
400字を超える小説はnoteに書こうと思います。
https://note.com/rrr040339

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