ベツヘレムの星

6
4

〈クリスマスの今夜、狛犬公園で六時から星座鑑賞会を行います。〉
こんな張り紙が、ある小学校の校門の前に貼られていた。
それを見た小学生25人がその公園に集まった。
そして、そわそわしている小学生の前に深く帽子をかぶったおじさんが現れた。
「鑑賞の前にこのクッキーを食べてくれ。」
おじさんはそう言った。素直な小学生たちは美味しそうにクッキーを平らげた。
すると、小学生の体から青紫がかった光が溢れ出して暗い公園が一瞬の間、明るくなった。

おじさんは、生まれたてのような初々しい輝きを放っている地面に転がっている25個の星を眺めた。
そして、一つずつ観察するようにして気に入らない星をプチッと、足で潰していった。
「この星は綺麗な色をしているね。孫のクリスマスツリーに飾る一番上の星、ベツヘレムの星はこれにしよう。孫も喜ぶぞ。ふふ。」おじさんは一番気に入った星を拾い上げ公園を後にした。
ファンタジー
公開:20/12/10 11:29

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容