散髪屋で想う

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暖かい照明に照らされて、颯爽としたスタッフとお客さんが横行した席へ立ち並ぶ。お客さんは想う髪型を一日千秋のように待つ。スタッフはそれに応える。

しかし、不思議なもんでこの関係に疑いをかけるものを目にしない。
彼らは、刃を手にする。それは髪の質を保つため切れ味が抜群に良い。
その刃は、頭部に向けられる。生き命が通る太いトンネル、頸動脈を、いつでも手にかけるスタンスが出来ている。陣形はどうだろう。受刑人の背後をとる執行人、コミュニケーションは鏡越しに行われる。この非日常的な状況で咄嗟にイレギュラーに反応出来るだろうか。そして、切った髪が洋服を汚さない為にかけられるダウンケープ。首から腰にかけ纏わりついて即座の手出しを防がれたアイテム。

結局、これら不毛な懸念は不要であり、疑うものも居ないはずで、私自身、散髪屋に通う者。
不要な戦国武将を観たせいで
その他
公開:20/12/06 16:04

yamu

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