お気にいりのカフェ
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街は静かだ。僕は狭いアパートに閉じこもることに息苦しくなって散歩に出かけた。どうせならと普段は歩かない通りに。この春、大学に入学したのにほとんど通っていない。授業はオンラインなので引っ越して九か月になるこの街をよく知らない。
「ひとやすみしてから帰ろう」ちょうどそこにあったカフェに、寒さに背中を丸めながら飛び込んだ。
「いらっしゃいませ」と明るい声をかけられてホッとした。はじめて人に会った気分。
「ブラックコーヒーをお願いします」店は狭く10人程でいっぱい。カウンターにはショートカットの女性が一人。
コーヒーを飲み干そうとした時に気づいた。
「あれ、最後の一口まで美味しいなぁ」
「お気に召しました?」店の女性が話しかけてきた。
「うちのコーヒーは『気』も一緒に淹れてるんです。お客様には『元気』を少々」
彼女がにっこり微笑むと、しんとしていた店にクリスマスソングが流れているのに気づいた。
「ひとやすみしてから帰ろう」ちょうどそこにあったカフェに、寒さに背中を丸めながら飛び込んだ。
「いらっしゃいませ」と明るい声をかけられてホッとした。はじめて人に会った気分。
「ブラックコーヒーをお願いします」店は狭く10人程でいっぱい。カウンターにはショートカットの女性が一人。
コーヒーを飲み干そうとした時に気づいた。
「あれ、最後の一口まで美味しいなぁ」
「お気に召しました?」店の女性が話しかけてきた。
「うちのコーヒーは『気』も一緒に淹れてるんです。お客様には『元気』を少々」
彼女がにっこり微笑むと、しんとしていた店にクリスマスソングが流れているのに気づいた。
青春
公開:20/12/07 15:58
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