君じゃないんだ

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 20年くらい前、僕は4つ年上の女性に恋していた。そして、僕は自分の気持ちを言葉には出さなかったが、側から見ている人にだって分かったのだから、当然その女性はよく知っていた。それは太陽が東から昇ること位明らかだった。
 当時僕は若く、そして純情だった。

 しかしある日、僕は一つ下で、僕の憧れの君と共通の友人の女の子に告白された。きっとその女の子だって、本当は僕が誰が好きかを知っていたはずだ。それでもその子は僕に猛烈にアプローチして来た。そして何度目かに二人で会った時、僕はその子に「君じゃないんだ」と一言伝えた。それ以来その子とは会っていない。
 そしてそれから数日後、僕は憧れの君に「5年待ってくれませんか? そうしたら・・・」と告白した。それに対して彼女の返答は「5年も待っていたら、私もうおばさんだよ」だった。やはりそれ以来彼女とも会っていない。
 僕は若く、将来の展望は真っ白だった。
恋愛
公開:20/12/06 22:00
#失恋 #青春

Azuki Smith( 横浜 )

写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)

投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)

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