数字建築論
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幼いころから、数字を繋いで小さな建物を作るのが好きだ。それは、高校生になった今でも変わっていない。
7は8や9に上手く引っかけてやれば見栄えがするし、1は縦にも横にも斜めにも使える優秀な建材だ。
それぞれの数字の特性を生かして自分だけの建物を作るのはとても楽しい。
この前は、空中楼閣を、その前はバベルの塔もどきを、数字を繋ぎ合わせて作った。
建物形状が複雑なほど、ついつい熱が入り、集中してしまう。すると、数字なら片っ端から際限なく使ってしまうから、気付けば色々と問題が……。
そこで私はふと、数字でゴシック風の尖塔を作る手を止めた。
数字で作り上げられた塔の真横に開かれている、課題の青チャートのページが目に入ったのだ。そこには、本来あるべき数字が全て消えていた。
「ああ、やっちゃった」
私はもはや復元不可能な建材と化している、青チャート出身の数字たちを見つめて、頭を抱えた。
7は8や9に上手く引っかけてやれば見栄えがするし、1は縦にも横にも斜めにも使える優秀な建材だ。
それぞれの数字の特性を生かして自分だけの建物を作るのはとても楽しい。
この前は、空中楼閣を、その前はバベルの塔もどきを、数字を繋ぎ合わせて作った。
建物形状が複雑なほど、ついつい熱が入り、集中してしまう。すると、数字なら片っ端から際限なく使ってしまうから、気付けば色々と問題が……。
そこで私はふと、数字でゴシック風の尖塔を作る手を止めた。
数字で作り上げられた塔の真横に開かれている、課題の青チャートのページが目に入ったのだ。そこには、本来あるべき数字が全て消えていた。
「ああ、やっちゃった」
私はもはや復元不可能な建材と化している、青チャート出身の数字たちを見つめて、頭を抱えた。
ファンタジー
公開:20/12/05 08:26
マジックリアリズム
『幻想日和』
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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