真冬の友達
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                                僕が幼少期を過ごしたのは、山奥の田舎だった。毎年冬になると、雪が高く降り積もる場所。一番楽しみだったのは、その時期にやってくる不思議な友達と会うことだった。
「きみだれ?村の子?」
「ううん。僕、遠くから来たの」
ユキと名乗った男の子は、透き通るような肌で、手に触れると、まるで氷のように冷たかった。
「何でこんなに手が冷たいの?」
「生まれつきだよ。君の手はとても暖かいね」
とても冷たい手だったけど、ユキくんは優しく笑う子で、僕らはすぐに仲良くなった。それから毎日、僕はユキくんと遊んでいた。
けれど、ユキくんはいつも、ある日ふっと居なくなってしまう。
「ねぇ、何でいつも急にいなくなるの?」
何年か経って、そう聞いた。すると、ユキくんは寂しそうな顔をした。
「暖かくなるからね」
大人になって都会で働き始めた僕は、寒い冬の日、ふと彼のことを思い出す。
道端に作られた、雪だるまを見る度に。
    「きみだれ?村の子?」
「ううん。僕、遠くから来たの」
ユキと名乗った男の子は、透き通るような肌で、手に触れると、まるで氷のように冷たかった。
「何でこんなに手が冷たいの?」
「生まれつきだよ。君の手はとても暖かいね」
とても冷たい手だったけど、ユキくんは優しく笑う子で、僕らはすぐに仲良くなった。それから毎日、僕はユキくんと遊んでいた。
けれど、ユキくんはいつも、ある日ふっと居なくなってしまう。
「ねぇ、何でいつも急にいなくなるの?」
何年か経って、そう聞いた。すると、ユキくんは寂しそうな顔をした。
「暖かくなるからね」
大人になって都会で働き始めた僕は、寒い冬の日、ふと彼のことを思い出す。
道端に作られた、雪だるまを見る度に。
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      公開:20/12/03 13:20      
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