すすり泣く女性の幽霊

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ボロアパートの一室でのんびりしていると壁の向こうから女性のすすり泣く声が聞こえてきた。
心配になって思わず「大丈夫ですか?」と問いかけてしまった。
『あっ…ごめんなさい…大丈夫です…うるさくして、すみません…』
鼻水を啜る音までする。どう考えても大丈夫じゃない。
「もし良かったら一緒にお茶でもどうですか?」
思い切って誘ってみた。
少しして、壁をすり抜けて女性が入ってきた。やっぱり幽霊だったか…
2階の角部屋、この壁の向こうは誰も住んでいない。そもそも部屋がない。この向こうは空だ。
そこから僕は彼女の正体を幽霊だと推測した。
『怖くないんですか?』
幽霊の女性は上目遣いで聞いてくる。
僕は笑顔で答えた。
『ええ、僕も幽霊。地縛霊なので』
女性はその言葉に顔を顰める。
『ごめんなさい。私、束縛が強い人NGなんです』
女性は壁をすり抜け、去って行った。
やっぱ浮遊霊って掴みどころがないなぁ…
ホラー
公開:20/12/04 19:44

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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